「他人(ひと)は他人(ひと)、自分は自分」、「昔は昔、今は今」と、他人との繋がりや時代の継続性を遮断して刹那的に生きている現代人が多いのではないか。
原田さんは、「昔は今であり、今はいづれ昔になる」ことを肌で感じておられる。私たちは、決して時を切断することはできない。昔に生きた人たちは、単に過去の人たちではない。昔の人たちは喜んで現代に甦り、生きるパワーを我々に与えてくれようとしているのに、我々はそれに気づこうとしない。また、今を生きている生命のすべては未来につながっているのに、多くの現代人にはその認識や自覚が乏しい。
私が原田さん主宰の「熟塾」の門をくぐって1年半。彼女が私の前に連れてきてくれた昔の人たちは、江戸時代に、朝鮮出兵の秀吉のお膝元・大阪にはるばるやって来てくれた善隣外交使節団・朝鮮通信使の一行であり、また、「天下の台所」としてわが国の経済を牽引してきた大阪の企業家たち、中央公会堂の生みの親・岩本栄之助、「17条の憲法」を制定した聖徳太子等々である。今年は、17条の憲法制定1400年目。第一条の「和をもって貴し」で知られているが、初めて全文を読み、上に立つ者の襟をただす倫理規定と知った。
自分の感動を分け与え、他人の感動を共有し、過去に生きた人たちの「生きる力」「生き抜く力」を現代に甦らせようと頑張る原田さん。大阪にはたくさんのエネルギーが眠っている。これからの10年も、先人たちの「エネルギー・元気」を掘り起こして現代に甦らせ、また、持ち前の「いちびり精神」で新しい事にチャレンジしてくれるものと思う。
熟塾は、11月から活動11年目に入る。私は、この7月で一足先に議員活動11年目に入った。原田さんから元気をもらって、10年を一つの節として、先人に学びながら、気持ちを新たに「まじめに、ひたむきに」政治に取り組み、未来につなぐ作業をしていかねばと思う。
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