閉会のあいさつで、主催者側から次のような感想をいただきました。
「思えば、私たち大学2年生は、高校の卒業式の直後に東日本大震災が起こり、大学の入学式も自粛ムードのなか行われた世代です。
ふと、そう思い返しながら、「東日本大震災から2年」というのは、私たち 大学2年生にとっては、多くの人たちとは、また違った意味があると思いました。
『いのちを守るのが、政治家の仕事だ』と信念と使命感を持って突き進まれていた山本孝史さんから、『いのちを守りたい』という大学生である私が、どのような形で『いのち』のバトンを受け取れるのか、不安な部分もありますが、この気持ちだけは決して忘れず、大切に育んでいきたいと思いました。
なんだか私たちは『一日一日を大切に生きる』ということを、うかうかしていると、ついつい忘れてしまいがちです。がん患者を生きること、自死遺族を生きること、被災地を生きること、そしてこれらのいずれでもない、『普通の日常』を生きる私たちだからこそ、実は冷静に、『 いのち』を静かな眼差しでしっかりと見つめることができるのだと確信しました。どうやらそれが、恥ずかしながらですが、『私の役目だ』と実感し、明日からまた「一日一日を大切に」生きようと思います。」
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とても印象に残ったあいさつでした。「卒業式」、「入学式」という人生の節目の時、喜びや希望にあふれる時を自粛ムードの中で過ごした世代は、特に、「普通でいること」の幸せも強く感じているのではないかと思います。
人間は同じ体験をするわけではありません。 体験がなくても想像力がありますし、感情移入もできます。普通の生活をしながら、静かに「いのち」を見つめ、異なる境遇の中で生きる人たちへ想いを馳せること、その大切さに気づかれたことは、講演をさせていただいた私にとって、とても嬉しいことでした。
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