「厚生省AIDSファイル」 保坂渉 (岩波書店)より抜粋
「菅の記者会見から19日後の2月28日夕、衆院第二議員会館3階にある新進党山本孝史の事務所。山本は、厚生省の調査プロジェクトチームが公表した真相究明に関する中間報告書に、目を走らせていた。
「これは委員会の質疑に使えそうだな」 山本は厚生員会で、薬害エイズ問題を執拗に取り上げていた。報告書の中で目をつけていたのは「文献等調査リスト」だった。リストには、AIDSファイルから見つかったエイズ研究班の関係資料142点が列記されていた。山本は、その中から興味を持った資料10点を選ぶと、翌日厚生省に請求した。 調査 プロジェクトチームから提出されたのは半数の5点。「残りを早く出せ」と言っても、なぜかだめだった。 3月に入ると、山本はしつこく文書や電話で資料を出すよう催促を続けた。 「人手が足りなくて持って行けない」 「来週にしてください」 厚生省の回答はその都度変わり、要領を得なかった。・・・・・」 続きはこちらです
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