2006年12月4日 決算委員会
 

 山本孝史君 少なくとも二十床まで下げるというお考えはありませんか。

国務大臣(菅義偉君) 先ほども申し上げましたけれども、五十にというのは一つの目安であって、一定の基準を総務省としては示しているということであって、これは都道府県選管の判断によって行うことができるようになっておりますので、その実情に応じた不在者投票の指定が行われると、そういうふうに私どもは考えております。
  今委員から先ほど御指摘ありました、そういうことも踏まえてこの制度の仕組みをそれぞれの都道府県でよく理解してもらえるように、先ほども申し上げましたけれども、検討させていただきたい、そう思っています。

山本孝史君 ほかにも問題がありますのであれですけど、去年は在外邦人の投票権をつくりましたよね。そして、自衛隊の方たちのことも踏まえて十人以上であれば投票できるようにしようとかと、いろんな改正をしてきましたよね。投票というのは民主主義国家の基本ですし、参政権をみんなに保障する、公平な選挙でなければいけないけど、一人でも多くの方が投票できるようなシステムにするというのが去年から我々の取組だったというふうに思います。

  そういう意味では、五十ということじゃない、検討するだけれども、二十でもやっているところがあるんだから二十でもいけるんじゃないか。あるいはもっと小さなところでも、やっぱり一人でも多くの方が投票に参加できるような仕組みにするというのが私は安倍内閣のお仕事だというふうに思います。それをやらないのは民主主義を否定しているということと私は同じだと思います。

  冬柴大臣にこの参政権の問題についてお尋ねをしたいのですが、去年の十二月十日でございました、御一緒に在日本大韓民国民団大阪府本部主催の外国人の地方参政権実現を目指すシンポジウムに同席をさせていただきました。先日、そのときの記録集が私のところにも届きまして、改めて読み返しをしてみました。在日外国人の地方参政権の実現は、七年前に公明党が連立政権、自民党と御一緒になられるときの私は連立合意だったということを理解しております。

  今後、安倍内閣の中で実現の可能性があるのかないのか、お聞かせをいただきたいと思います。

国務大臣(冬柴鐵三君) 御案内のとおり、日本には多くの外国人がいます。しかし、その中でも大韓民国等朝鮮半島由来の外国人が昨年末で六十万八千名余いまして、これは多くの外国人の中で三〇・八%を占めます。

  なぜこうなったか。これは、一九一〇年、日韓併合条約により朝鮮半島全体を日本の植民地といたしました。したがいまして、そこに住む人々の国籍は日本国民というふうになりました。したがいまして、それ以来、朝鮮半島から日本へ自らの意思で、また国家総動員法等計画令に基づく移動令等で日本へ移住をさせられた朝鮮半島由来の人々がたくさんそういう日本国民として日本に定住することになりました。

  これは、一九一〇年から一九四五年、日本が敗戦になるまでの三十六年間の間、この人たちは日本国民としていわゆる徴兵令に応じて、そして……

山本孝史君 事実関係はいいんです。実現しそうなのか、しそうでないのか、お聞かせください。

国務大臣(冬柴鐵三君) いや、そういう人たちが選挙権も持っていたわけであります。朴春琴さんという人は、二回、昭和七年、十一年に衆議院で当選をして国会に籍を置いた人もありますし、数十名にわたる人たちが各地で地方議員としてやっていました。

  そういうことをとらえて私ども公明党は、この人たちに、限りなく日本国民と近い生活を、実態生活を営んでいるこの人たちに地方における選挙権を与えてもいいのではないかというのが我々の考えで、そのような提案をいたしまして、先ほど言われたように、平成十一年十月四日の連立合意の中では、三党でこの法律を成立させましょうという合意ができました。

  しかしながら、その後、特に自由民主党の中で大きな異論がありまして、それは、国の統治機構の一部ではないかということが主な理由でございました。しかし、その後、地方分権推進法で国と地方は対等平等の関係にもうなりまして、そして、地方自治の本旨からいけば住民自治ということで、そういう生活実態が日本人と全く同じ人たちにも与えてはいいんではないかという議論もたくさんあったんですけれども、なかなか実現をせずに今日に至っております。

  しかしながら、昨年六月末に韓国では、日本国民でも三年以上永住した十九歳以上の人たちに対しては地方選挙権を与えるというそういう法律を制定しまして、今年の五月の末に行われた地方選挙権ではそのような日本人にも地方選挙権が与えられて選挙が行われました。そういうことを踏まえまして、私は、もう相互主義で韓国に限っては与えてもいいんではないかということで今法律を提案しているところであります。

  しかし、今反対していられる方、与党の人方に対して、その内容とか、そういうものをよく分かっていただくように我々も説明しなきゃなりませんし、もう少し時間が掛かるのではないかというのが現実でございます。

山本孝史君 連立政権に入られたときの合意事項ということを踏まえて、冬柴幹事長としてお取り組みになってよく御存じですから今の御説明だったと思いますけれども、是非実現する方向に努力をしていただきたい。でなければ、何だ絵にかいたもちじゃないかと、単に言っているだけかと、連立政権の合意なんていうのはその程度のものなんだ、公明党は結局はそういう姿勢で臨んでいるのかという国民の受け止め方になりますので、そうならないようにしていただきたいと思います。

  社会保障関係費の削減についてお伺いをしたいと思います。

  政府は、七月に公表した骨太の方針二〇〇六で、基礎的財政収支の黒字化のために今後五年間で十六兆五千億円の対応額が必要だと言っております。そのうち、七割から八割を歳出削減により、残りの分を税制改革により賄うとされています。

  最初の資料をごらんをいただきたいと思います。(資料提示)社会保障経費は毎年度約一兆円の自然増となりますけれども、政府は平成十四年度以降、毎年二千二百億から三千億の削減をしてまいりました。これは十八年のところは予算で書いてございますので、決算であればもう少し社会保障関係費伸びますのでグラフが入れ替わりになると思いますけれども、しかし、高齢者の伸びよりも低く抑えるという形でずっとやってきたわけです。その伸びを抑制するために何をしてきたかというと、二年に一回の診療報酬の減額、平成十四年と十八年に行いました医療制度の改悪、あるいは介護報酬の減額と介護制度の給付範囲の制限などを行ってまいりました。

  そこで、まず総理にお尋ねをしたいのですが、この社会保障関係費については今後五年間も毎年二千二百億円削減をする、こういうふうに受け止めてよろしいのでしょうか。

内閣総理大臣(安倍晋三君) 本年七月の骨太の方針二〇〇六におきまして、社会保障におきましては、過去五年間の改革を踏まえ、今後五年間の改革においても努力を継続をしていくということを決定をいたしました。毎年度の具体的な削減額につきましては、その時々の経済、財政の状況なども踏まえながら、毎年毎年決めていくことになります。

  いずれにせよ、この骨太の方針二〇〇六に示された歳出改革の内容について計画的に着実に実行していく考えであります。