2006年11月28日 参議院厚生労働委員会
 

山本孝史君 従来から、四か月に一度でしたでしょうか、感染症法に基づくエイズ患者・感染者情報ということで疾病対策課からお届けをいただきますけれども、このエイズの発生動向調査というものは、これは十二条の従来の規定に基づいて行われている事業であると、こういう理解でよろしゅうございますね。

政府参考人(外口崇君) 感染症発生動向調査事業につきましては昭和五十六年の七月から開始されていたところでありますが、平成十一年四月に感染症法が施行された後は、同法第十二条から十六条までの規定に基づき実施しているものであります。十二条から十五条が情報収集に関する規定、十六条が情報の公表に関する規定でございます。

山本孝史君 という御説明に基づいて、HIVの感染者あるいはエイズ患者さんの初めて治療に当たった、発生したときの報告としては今の法律でも出てくる、それは累積されているわけですね。

  今度新たに設けられるこの十二条の四項は、慢性の感染症の患者に何を入れるかというので、代表としてはエイズ、肝炎、ヤコブと、こういうふうに例示をされましたけれども、そういったものの中で、毎年度、この法律によりますと、「その患者の年齢、性別その他厚生労働省令で定める事項を最寄りの保健所長を経由して都道府県知事に届け出なければならない。」と、こういう規定になっています。

  この四項を新設されることによって、従来は発生時点だけ押さえてきたけれども、今後は毎年、その時期は何回とされるのか知りませんが、毎年度、どういう状況になっているのかということを把握すると、こういう理解になるわけですね。

政府参考人(外口崇君) 御指摘のように、十二条の四項というのは、慢性の経過をたどる感染症の中で、初回報告後も継続的に情報を収集することが有益な疾患を想定しております。

  ただ、その対象を何にするかということについては、これはまだまだ専門家だけでなく患者団体にもいろいろな御意見ございます。実際に、例えば専門家というか疫学の専門家にとっては、例えば情報はできるだけ多い方がいいという意見もありますけれども、他方、その情報を取られる方の立場の納得が得られるかどうかということもございますし、それは最終的にはその患者さんのためになるということがやっぱりコンセンサス取られなければいけませんので、そういったことを十分踏まえた上で、そこの、どの疾患でどのような情報を取るかということについては、これはよくよく検討を行ってから決めたいと思っております。

山本孝史君 午前中の櫻井理事の人権尊重という御指摘もあって、そのとおりだと思いますが、これはがん登録と違って個人が特定されないわけですね。その患者の年齢、性別というところから始まりますので、当然氏名はないし、住所はないわけですね。

  今度、都道府県だけでもせめて入れた方がいいんじゃないか。あるいは、発生時のことをおっしゃっているのか、あるいはこの動向調査を含めておっしゃっているのかもしれませんけれども、疫学調査をしっかりやらないと、身近で何が起こっているかということについて国民が知り得ない。特に、地方自治体が非常に消極的な姿勢になっているのは国の姿勢が後退しているからだということを申し上げましたけど、もう一つは、自分たちの身近な病気だというふうに思っていない。それは、十六の重点自治体のところにほとんどの患者さんがおられるので、自分たちのところには関係ないというふうに思ってしまっていると困るんですよね。

  そういう意味において、都道府県のそれぞれ、その患者さんがどこに住んでおられるかというような状況ぐらいまでは踏まえつつ、やはり患者の現在の状況というものを人権に配慮をしながらしっかりフォローしていく。単に発生時だけを押さえるんじゃなくて、疫学調査として有益な疫学調査になるようにここはしっかりとしたものにしていただきたいし、患者さんへの人権の配慮ということもありますので、よく患者団体とも協議をしながら、もう御答弁はいただいていますけれども、やっていただきたいというふうに思います。

  国民にとっては有益なもの、患者にとっても有益なもの、そして次の治療体制なりあるいは検査体制なりがしっかり充実できるもの、そういう体制がつくれるような疫学調査というものを是非、患者の声を踏まえつつしていただきたいということを、もう一度だけ、御確認で御答弁をお願いします。

政府参考人(外口崇君) 国民にとって必要な情報であり、しかも患者さんにとっても有益であるという観点で、どういった内容で進めるべきかよく検討したいと思います。

山本孝史君 それで、治療体制についてお伺いをしたいというふうに思います。

  国は、平成六年にエイズ治療拠点病院整備事業を開始しまして、個室を設ける、あるいは相談指導室、エイズ専門外来診療室などの施設の整備や医療機器などの設備購入費を国庫負担をいたしました。その結果、全国で三百五十五病院がこのエイズ治療拠点病院に指定をされております。

  ところが、国立病院機構の仙台医療センターの調査によりますと、東北ブロックにはこの拠点病院が四十ありますけれども、その四十の病院で、診療数なし、一人も患者さんを診ていないというのが十七施設、四二%、五人以下が十四施設、三四%、六人から十人が五施設、一三%、十一人から二十人が三施設、八%、二十一人以上が一施設、三%ということになっています。すなわち、四十の拠点病院のうちほぼ半分近くは診療していない。五人以下ということを含めますと、ほぼ八割の病院が余りエイズの患者さんを診ていないということになるわけですね。

  すなわち、これは仙台のブロック拠点病院である仙台医療センターが調査した結果ですけれども、エイズ患者さんは、たくさん拠点病院はあるけれども特定の病院に集中しているわけです。それは、その病院で治療を受けないとちゃんとした治療が受けられないから、ほかの病院ではやっぱり拠点病院と指定されていてもさほどに治療体制が整っていないからだという気がします。

  それで、厚生労働省が全国の各拠点病院での患者さんの数を把握しているのですかとお聞きしたら、いやそれは把握していませんというお答えだったんですけれども、そういう状態でしょうか。

政府参考人(外口崇君) 現在、エイズ治療拠点病院、三百六十九ございまして、ブロック拠点病院が十四か所ございます。

  そういった拠点病院の数でございますけれども、この三百六十九についての把握をしておりませんけれども、地方ブロックの拠点病院、これについては数を押さえておりますけれども、この中でもかなり数のばらつきがございまして、やはり特定の施設に集中しているという実態がございます。