2006年11月28日 参議院厚生労働委員会
 

山本孝史君 時間がもったいないのであれですけれども、右へ見ていただいても分かるように、個別施策も取り組んでいない都道府県も多いわけで、個別施策に重点的に取り組んでいこうということも遅れているということを指摘申し上げて、是非、国が後退しているので地方が付いてこないというのが実態だと思っていることをもう一度指摘をしておきたいと思います。

  エイズ患者の多くが、それまでにHIVの抗体検査を受けておらずに、病院に行って突然そのままエイズだということが分かる、あるいはHIV感染を知らないままに放置されていたというのが、かなりの方々がおられます。したがって、発症予防のための治療法は、HIVに感染をしても、それからエイズを発症するまでの間のこの治療法は格段に進歩していますので、HIVに感染してもエイズにはならないというのが今の基本的な考え方です。

  したがって、早めに抗体検査を受けることがとっても大切なんですけれども、ところが主に保健所でやっているわけですが、保健所でやっているのが月に一回、二回とか、あるいは開いても三十分だとか予約制だとかということで大変に受けにくいわけですね。したがって、予防ということからいくと、保健所に限らず、いろんな病院も含めて夜間の検査、仕事が終わった後に受けられる、あるいは休日の検査、それから迅速検査と言ってその場で結果が分かるというような体制を整備すべきだというふうに思っています。
  どのように取り組むお考えか、教えてください。

政府参考人(外口崇君) 保健所に限らずの夜間検査、休日検査、迅速検査を受けられる体制についての御指摘でございますけれども、平成十六年度より、東京、神奈川、愛知、大阪、兵庫、広島といった大都市においてそういった取組が始まっておりまして、利便性の高い検査を受けやすい体制を確保するために、保健所だけでなく、例えば東京都では南新宿検査・相談室を始めとして地域の医師会、NPO法人への委託実施という取組があります。それから、神奈川県でも同様に即日検査センターを、これは地域の診療所に委託して行っております。また、結核予防会に委託している取組もございます。

  そういった形で、今、大都市においての夜間、休日、迅速など、受検者の利便性に配慮したこの無料の検査の取組が始まっているところでございますので、国としてもこういった取組の有用性を広めていきたいと考えております。

山本孝史君 できるだけそういうところ、近いところ、身近なところで受けられるような体制がとっても大切で、今献血をその検査代わりに使うというふうなのが問題になって、いっときそれで一生懸命取組をしたわけですけれども、再びまた増えている傾向がある。すなわち、献血センターの方が、そのHIVの検査をする場所よりも駅に近かったら献血センターに行ってしまうというのが実態としてあるので、そういう意味では、同性愛者の皆さんが集まっておられるようなところですとか、あるいはみんなが通いやすいような場所ですとかに、先ほど例示でおっしゃった、そういうセンターですね、医師会の協力を得てとか、あるいは診療所ですとか、といったようなところに国がお金を出してあげて、検査は無料ということで受けてもらうというような体制を是非充実をしてほしいというふうに思います。

  それで、そのときに、私、HIVの感染者の手記とかを少しだけですけれども読んでいますと、陰性だから良かったと思って、それでしばらくして、同じような生活行動をしていて、次受けると実は陽性になってしまっていたということでHIVに感染してしまうということが多いようなので、申し上げたいことは、その陽性と判定されたときに、当然しっかりカウンセリングをしてあげる、そしてその後のことについて説明をしてあげる、治療法についての説明をしてあげるということも必要ですけれども、陰性と判断されたからもう大丈夫なんですよということではなくて、きっちりとその後気を付けて生活をしてくださいという、この陰性の方も含めた、何といいましょうか、フォローといいましょうかサポート、あるいはそうしたカウンセリングが必要だと思うんですね。検査しました、陰性でした、はいお帰りくださいではなくて、ここでの、患者さんといいましょうか、そういう可能性のある方とのカウンセリングというのはとても大切だと思うんですけれども、こういったところの体制はどのように整えておられるのか、そして今後どのようにしていかれるのか、お考えをお聞かせをいただきたいと思います。

政府参考人(外口崇君) 陰性者に対してのカウンセリング、大変重要だと思います。保健所等で実施するHIVの検査は、採血の前に個別カウンセリングを行うよう周知徹底を図っております。また、検査結果の告知を行う際にも、これは検査結果にかかわらず事後のカウンセリングによる指導を行うこととしているところでございます。

  あとは実際に、指導はそういうように行っているんですけれども、それが実際にうまく機能しているかということでございます。こういった点については、現場の声を参考にしながら、より良い体制をつくっていきたいと思っております。

山本孝史君 是非、現場で実際に取組をしておられる方たちの意見というのが一番重要だというふうに思いますので、そういった御意見を受け止めていただいて施策の展開をしていただきたいというふうに思います。

  それで、予防、検査の件はそれにしまして、法律のことについてお伺いをさせていただきたいというふうに思います。

  法律の第十二条に、今回新たに四項に新設をされまして、「厚生労働省令で定める慢性の感染症の患者を治療する医師は、」云々という規定が出てまいります。この「慢性の感染症」というものはどういうものを想定してこの規定を置いておられるのか、お聞かせください。

政府参考人(外口崇君) 慢性に経過する感染症につきましては、治療により病原体を体内から消失させることを短期間で行うことが難しいため、適正な医学的管理の下で医療を提供し、患者を治療するとともに、他者への二次感染を予防する必要があります。このため、急性の感染症とは別の対策として慢性の感染症に関する届出の規定を設けたものであります。

  代表的な慢性の感染症というと、まず結核があるわけでございますけれども、結核についてはもう既に別の規定が整備されておるところでございます。

  届出の対象となる慢性の感染症については、一類感染症から五類の感染症のうち、短期間で病原体を体内から消失することが難しく、初回報告後も継続的に情報を収集することが有益な疾患を想定しております。実際に慢性の経過をたどるということだけでいえば、例えばエイズもそうでありましょうし、肝炎もそうでありましょうし、クロイツフェルト・ヤコブもそうでありましょう。ただ、実際に初回報告後も継続的に情報を収集することが有益な疾患ということになりますとそれからもう少し検討が必要でありますので、実際にどの疾患を対象とするかにつきましては、これは専門家のみならず、患者団体の御意見等も参考にしながら検討を進めたいと考えております。