2006年11月2日 11月2日 参議院厚生労働委員会
 

 山本孝史君 また出てきたものでいろいろ御意見を申し上げたいと思いますけれども、是非、海外で移植をして帰ってこられる方たちも、日本国内で引き続き免疫抑制剤を飲んでおられるわけですね。どこかで治療を受けておられるわけです。

  そういうことも含めて考えると、やっぱり登録制にして、その後の治療成績を追い掛けていかないといろいろ問題があるというふうに思いますので、私は、登録制若しくは届出制をちゃんと学会ができるんだったらいいんですが、学会ができないというケースもありますので、何らかの対応をしていくべきだというふうに思うということを再度申し上げたいと思います。

  死体腎移植の三年生着率が七八・四%、五年生着率が七一・五%、この十年かなり成績は改善されてきていると思いますし、腎移植を受けた患者の多くが腎透析から解放されて日常生活に戻れるというのは大変によかったというふうに思います。しかし、その一方で四分の一の方は残念ながら数年のうちにその移植した臓器が機能をしなくなるという厳しい現実があるわけですね。心臓手術も移植でなければ助からないではなくて、いろんな手術法が今開発をされてきております。研究費をもっと投入して、臓器移植に頼らなくてもよいような治療法を開発するということがやっぱり一方で求められていると私は思います。

  先ほど西島先生もおっしゃった生殖補助医療ですとか代理出産に代表されるように、医療技術は物すごく進歩していくんだけど、社会がそれに追い付かないというのが今の現状になっていますので、脳死移植のときは脳死臨調をつくって随分議論をしてやってきましたけど、あれ以降ぴったりと生命倫理の問題は止まっているんですね。

  国会の中で是非そうした生命倫理の問題を議論する、そして、できればコンセンサスが得られるような場を、これは皆さんに言っているんじゃなくって、国会の中でそういうものを是非私はつくるべきだというふうに思っております。ということを申し上げて、時間の関係で次の質問に行きます。

  年金の問題で、言わずとももういいですね、もう。年金の二法案、社会保険庁改革二法案、国会出ていて、審議させておいてそのままで途中で止めさせられているというのは何ともひどい話だと思いますけれども、何か政局に使っておられるようで、社会保険庁改革を。それが出ないと次の一元化も進まない云々というのは、何か年金改革がどんどん遅れていって、結局年金不信だけが残っていくような気が私にはするんですね。

  そういう意味で、法律を出されて、そして国会で審議をしてくれと言って、早く上げてくれと言って、今回の大臣所信でも国会で十分議論しろと言っておいて、次の、それよりもほかの法案先にやってくれという話になっている。これちょっとやっぱり厚生労働省としては私は国会に対して礼を失しているんじゃないかと思うんですが、その点について大臣の御見解をお伺いをします。

国務大臣(柳澤伯夫君) 法案を出しておきながら……

山本孝史君 審議始まったんだから。

国務大臣(柳澤伯夫君) 成立についてどれだけ一生懸命なのかと、法案の審議の順番も、違う法案の方を優先させてんじゃないかと、それはこの議会に対して礼を失することではないかと、こういうお話がございました。しかし、客観的にはもう山本委員何もかも御存じのとおりでございまして、つまり我々が法律案を出した後、本当に残念なことながら、私どもの組織がいろいろ問題をまた露呈してしまったと。ここにすべてきっかけがあったわけでございまして、それを受けて、与党の側が中心だと言っていいと思うんですけれども、要すれば、これはもう少し自分たちで議論をさせてくれと、こういう話になっているわけでございます。

  厚生労働省として議会に対して失礼だと言われると何とも言いようがないわけですが、私どもやっぱり国会へ提出した法案については、まず与党の皆さんの賛成をいただく、そして願わくんば野党の人たちにも御理解をいただくということが前提でございまして、与党の人たちが全然こういう我々の意向を酌んでくれそうもないという状況の下では、私どもとしてはこういう形しか選択の余地はないと、これはまた御理解を願わなければならない点だと、このように思います。

山本孝史君 率直な御発言だったと思います。与党の中で総理、幹事長、総務会長、政調会長、みんな言っていること違うんだもんね。だからそれは、与党の支持を得てない法案なんだから、それはもう廃案になるというのは分かった話だと思いますけれども、しかし、こっちから見てると何やってんねんという感じはします。

  年金の話はいつも渡邉局長来ていただいて詳しくやりたいんだけどなかなか時間がありません、今日は医療の話なんで。ただ、一つだけ、年金合同会議で私の持論はもう申し上げたとおりですけれども、基礎年金国庫負担二分の一への引上げが、これは決まったことだからやるんだと、こういう話をいつもされるんですね。でも、大臣御承知のように、あれは給付時の国庫負担の投入ですから、高額の年金者にも税金で下支えする構図になってしまうわけです。福井日銀総裁にも更に税金を差し上げるというのが今の年金の給付の形なんですよね。それはやっぱり税金の使い方としておかしいだろう、延べ単で入れるのはやっぱりおかしいんじゃないかと私は思うんですが、税に詳しくて厚生大臣になられてというお立場で、この形というのはどんなふうにお考えでいらっしゃいますか、お伺いをします。

国務大臣(柳澤伯夫君) 確かに、現象的に見ますと給付時に投入されるということではないかというお話で、それがゆえに高額所得者の年金にも税金が投入されるということはおかしいんではないかということかと思うんですが、その点については私ももう一回考えてはみますが、やっぱり金に色目は付いてないもんですから、回り回ってはやっぱり再分配のことにもいい影響をもたらしているということではないかと、今日は、ちょっと大変恐縮ですが、そんなふうに今のお話をお聞きして感じたのです。感じたことをそのまま言わせていただくとそういうことではないかというふうに思います。

  それともう一つ、より真正面の議論としては、やはりこういう枠組みで行われている、基礎年金という形で、その上に報酬比例がくっ付いているという形であるということを前提にすると、やはり全体に対して三分の一から二分の一にこの国庫負担を上げることによって保険料の増嵩をあんばいしたということでございまして、その枠組みを前提にすればこういう方法が考えられるということだろうと思います。