山本孝史君 今言いませんでしたが、これ実は実例で、北海道のせたな町で起こっている話ですね。三町が合併する、その旧瀬棚町のところで一生懸命頑張っていた。しかし、別の町の町会議員さんが町長になられて、三人いても二つしか診療所がないから要らないじゃないかと言った途端に、医者は自分たちがやってきたことは何も全く認められていなかったというので辞めちゃったんですね。
結局、その医者として思ったのは、それは入院患者もいますよと、手術もするんです、検査もするんです、その間も往診に行って外を回っているんですと。それ、お休みのことをおっしゃいましたけど、お休みなしで実は皆さんやっておられたんですよね。ここは実は地域医療がその意味では崩壊したんです。
だから、首長さんなりあるいは行政にかかわっておられる方が、一生懸命頑張っておられるお医者さんたちの思いをちゃんと受け止めてそれなりの体制を取ってあげるということが私は非常に重要だというふうに思います。
もう一つ思ったのは、地域医療にかかわる医者は地域医療の現場でしか育てられない。だから、そこに研修医なりを受け止めて一緒にやっているんだと。しかし、そのことも理解してもらえないというのは、結局、割を食ったのはそこの町民なわけですね。
それから、実は今日申し上げたいのは、今までいろんな議論がありますけど、やっぱり一生懸命病院のお医者さん頑張っておられるんです。私の主治医は、報酬を考えていたら病院では働けないとおっしゃいます。もう一人の、これ、地元の主治医は、私、今度健康保険財政のことで議論するんですがと言ったら、私はボーナスは〇・五か月しかありませんと。職員用のトイレは常に電灯は消しております。うちの職員は一人もつける人はいませんと。それぐらい全員で経費削減、あるいは自分たちも報酬をちょっと横に置いておいてでもそこの医療を守りたいという思いで頑張っておられる。
だから、何をやってほしいかといえば、そんな小手先で診療報酬を付けてくれというのではなくて、やっぱり余裕がない、人が欲しい、もっとスタッフが欲しいというのが一番の思いなんですね。だから、そこのところを是非、現場で頑張っておられるお医者さんの、先ほどのせたな町のお医者さんの例も含めてですけれども、大臣も地元の産婦人科あるいは小児科のお話聞いておられるようですが、いろんなところのお声を是非聞いていただきたいと思います。
診療報酬体系でいろいろやってみても、結局、欲深か村の村長さんがいて、うまくその制度を活用してしまうような人たちがいるもんだから、非常に難しいんですよね。
医者をたくさん増やせと言うけど、医者を増やしたら、多分みんなビル診に流れるんですよ。私、ビル診って初めてこの間聞いて、ビル診って何って聞いたら、ビルで開業しておられるお医者さんたち。この方たちは、土曜日、日曜日休みなんですよ。で、もう朝の九時から夕方五時とか六時になったらみんな終わっちゃうわけです。病院側も困っているんです。ビル診から急性期の患者を持ってこられても、治療した後その病院には戻せないんですよ、地域医療やってくれないから。
だから、今の若いお医者さんたちの考えでいくと、単純に医者を増やしても、ビル診が増えるだけだったら日本の医療の水準は上がらない。したがって、私が申し上げたいのは、やっぱり急性期病院等での人員配置を見直して、お医者さんなり薬剤師さん、病棟薬剤師さんも欲しいし、あるいはコメディカルな方たちもっと欲しいと思います。
診療報酬のめり張りを付けてほしいと申し上げたのはそういうことで、そういう方向に、厚生省は、医療費政策はあっても医療政策はなかったと自嘲気味に皆さんおっしゃいますけど、是非ここは医療政策なので、そういう思いで取り組んでいただきたいということで、大臣、御答弁お願いします。
国務大臣(川崎二郎君) 医師が不足しているという認識の中で、衆議院の委員会でも随分御質問をいただきました。一方で、そうした質問される方も、今委員の言われるように、お医者さんを増やした結果として、東京で今言われたようなビル診のお医者さんがどんどんどんどん増えていくというのでは何をやっているか分からないと。したがって、やはりある程度地方に定着をしてくれる医療の専門家をどうやって育てていくかというところに期していかなければならないだろうと、こういうお話をいただきました。
また、各県の状況を議論をしておりましたときにも、例えば新潟の話をいたしましたときは、やっぱり新潟市というのは随分お医者さんいるんですよねと。問題は、新潟県の中に、新潟市にはいるんだけどやはり地方になかなかいない。こうした問題をどうやって解決していくかというのが今回の議論の中で一番大きな議論に、私は衆議院の段階ではなっていただろうと思っております。そこを、県を中心にしながら、私ども協力しながら、何とか集約化を進めながらやっていかなきゃなりませんねという議論をさんざんいたしてまいったところでございます。
もう一つは、そこへしっかりとした、例えば急性期の病院に私どもも今回付けさせていただいたつもりですけれども、多分委員の御提案はもう少し付けろと、そして人員がたくさん、何も医師だけではなくていろんな人たちが働けるように医療費をもう少しそこの部分を手厚くしろと、こういう御議論だろうと思います。
そこは、多分この議論ずっと私どもも続いていくんだろうと思いますけれども、負担と給付というものをどう考えていくか。私どももこの国会が終わりますと歳入歳出問題の議論をいたすわけでありますけれども、やはり負担が小さくして大きい給付というものはなかなか難しい議論になるんだろうと。そういう意味では、医療の負担と給付というものをお互いにどういうふうに考えていくかというところが今大きな議論でございます。一方の議論としては、やはりできるだけ削減しろという議論があると。一方で、今委員のように、できるだけ急性期のものを手厚くして、そこはそれじゃだれが負担するんだということをもう少し議論の中で詰めさせていただければ有り難いなと、こう思います。
山本孝史君 全体に歳出削減で、今度の法案も医療費抑制のベースで出されますよね。ここはやはり国民に選択を問うべきなんだと思うんです。今のままで下げていったら医療の水準は下がっていくということはもう目に見えているわけですから、この程度の負担でこの程度の水準でいいということを国民が選択するのか。あるいは、ちゃんとした急性期の病院やります、あるいはちゃんと地域でも診療体制が取れます、そのためには余分にこれだけの費用が掛かりますけれども、それは御負担いただけますかというきっちりとした医療提供体制のビジョンを描きながら、こっち側で掛かる費用がありますがどうでしょうかという、そういうやっぱり選択を国民にさせてもらえるような医療ビジョン、医療提供体制の姿というものを厚労省として示す、それが私、役所の姿勢だと思うんですけど、違いますか。
国務大臣(川崎二郎君) その中で、一番最初に山本議員が御提案いただきましたように、現実問題、同じ団塊の世代でございますけれども、我々が高齢期というものを迎えたときには、今お話しございましたように百七十万人亡くなる、約、七十五歳以上が二千万人という時代を迎える。そこを正直、若い人が負担し切れるのかという議論が一番最初にあって、私ども今回の改革を御提案をさせていただいている。
ですから、今の負担はどうなりますかという議論と、第一段階にございました二〇三八年、私どもは二〇二五年で想定いたしましたけれども、この段階で我々が二千万を超える、それをだれが負担するんですかというときにある程度の医療費の適正化を図っていかなければならないだろうという切り口で、ある意味では国民に選択という形で訴えさせていただいているところでございます。
山本孝史君 そこは、高齢者医療制度の在り方だとか終末期医療だとか、あるいは高齢者医療制度における診療報酬体系をどうするかとお聞きすると、それはこれから考えますと、こうなるから、それは何も提示しておられるわけじゃないわけですよ。そんなことを言っているんじゃないんです。
だから、今の医療水準を上げていくためにどうするのか。もちろんそこにたくさんの方たちが増えてきますから、死亡する方が増えてくるという中でどうするかありますけど、急性期の病院を通じても今の医療水準これでいいのかという、そしてこれだけの費用の負担なのかと。いやいや、もっとやっぱり皆さんちゃんとした医療を望まれるのであればこれだけの負担が要りますよというような問題提起をするのが厚労省の役割であって、医療費を削減する先頭に立って旗を振るのが厚生省の役割ではないと私は申し上げているのです。だから、その点をよく踏まえていただいて、最初に百七十万人亡くなるときどうしますかというビジョンを示してくれと言ったのと同じように、こういったところもしっかりとしたビジョンを示すということをやっていただきたいと思います。
あと、簡単に答えてください、私の幾つかの疑問です。
療養病床の転換支援金を保険財政から支出するということについて私は反対です。理屈が立たないと思っています。しかしながら、健保財政を軽減するから認められるんだと、こういうふうにおっしゃるので、そうならば、精神病院に入っておられる方たちの入院期間を短縮するためにグループホームを建設をする、その費用も健康保険財政から支出できるという理屈が成り立つと思いますけれども、そう認識してよろしいんでしょうか。
国務大臣(川崎二郎君) 委員が私どもの答弁まで基本的にはお話しいただきました。療養病床からの医療の転換金については、基本的には医療費の適正化に資するということから、当然、それを使うことについては健保財政上許されるだろうと、こういうふうに考えております。
この病床転換助成事業は、法律の附則の中に位置付け、五年ごとに助成対象や延長の適否について見直しを行うということになりますので、このグループホームの費用を負担することについては次の課題というふうに考えさしていただいております。
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