9月24日(日)号
メルマガの発行が隔週になりご心配をおかけしました。元気です。自民党総裁選の中継番組を見ましたが、結果がわかっているので面白みに欠けました。TVドラマ「小泉純一郎総理」は、役者の熱演は見ものでしたが、政界の裏話をドラマに仕立てれば、視聴者は「そうだったんだ」と思い、政治や政治家に対しての特定のイメージが刷り込まれる。とても危険だと思います。小泉政治が、格差を拡大させ、経営者の倫理は薄れ、社会をバラバラにしたことは既定の事実。どのようにして立て直すのか。臨時国会での安倍総理所信演説(9月29日)から論戦が始まります。
■ がんに関する全国的なコールセンターは税金の二重投資
9月23日の朝日新聞(東京本社版)は、がんに関する情報提供に関連して、「電話相談 地域拠点で受け付けへ」「がん情報 格差が心配」「全国センター 患者ら要望」と見出しを掲げて、「がんになったとき、正しい情報を得られる全国的なコールセンターが欲しい」との主張を展開しました。
がん医療に地域間格差、施設間格差があり、厚労省は「全国どこでも同水準の治療を受けられる体制」をめざして、がん診療地域連携拠点病院の指定を進めています。それらの病院には「がん患者相談支援センター」が開設され、患者や家族からの相談を、対面や電話によって対応することになります。記事は、この相談のレベルに「格差」が生じるので、全国からの相談を一元的に受け付けるコールセンターの設置が必要だとしています。
がん医療は日進月歩で進んでいます。新たな治療法などの情報は、中央で一元的に収集し、患者や家族にも理解できるように加工して提供する必要があります。その目的で、10月1日に国立がんセンターに「がん対策情報センター」が開設されます。
がん対策情報センターには、がん医療情報提供機能の他に、がん診療支援・臨床研究支援・がんサーベイランス・がん研究企画支援が付与されます。厚労省は、がん対策情報センターを米国国立がん研究所(NCI)のような組織にしたいようですが、人員や予算面で比較にもならない状況です。この点を解消しない限り、「正しい情報」を得ること(国が責任をもって提供すること)はできません。
ところで、NCIのホームページでは、冒頭に「重要」として次の注意書きがあります。「私たちは医療に関する特定の質問に答えたり、医療機関等を紹介したり、専門家による相談はできません」
「相談時間は、平日の午前9時から午後4時半までです」
このNCIの相談機能は、NCIのホームページを活用できない人、コンピューターを使えない人などを対象に、NCIのホームページに記載されている内容を電話で説明することにとどまっていて、記事が求めているような「コールセンター」の性格はありません。
個々の患者や家族が情報を入手するには、治療を受けている病院の主治医や相談室が窓口になるのがベストです。厚労省がめざす「患者家族相談支援センター」のモデルは、記事でも紹介された静岡県立がんセンターの「よろず相談」です。平成17年度には、対面相談4千件、電話相談6千件の実績を残しました。
以前のメルマガでも書きましたが、病院の相談窓口で受け付ける患者や家族の悩み、不安、疑問などが、当該病院でのがん医療の水準を向上させる手がかりになっています。この点を重要視すべきです。
地域事情は、中央のコールセンターでは把握できません。「地域のことは地域で。ただし、その情報は常に最新版を中央から届けます」というのが正解ではないでしょうか。
私は全国一本のコールセンター構想に、患者側から提供される貴重な情報が埋もれることになりかねないこと、中央と地方の二重投資になり税金の無駄遣いになること、当初は相談内容に格差があっても、その格差を埋める努力を各拠点病院が行わない限り、がん医療の水準も、情報も「格差」はなくならないなどの理由により、反対です。
なお、民主党の要求項目に含まれていると記事は指摘していますが、「ないより、あった方がよい」という姿勢に、私は同調しません。
■ 交通事故問題を考える国会議員の会
飲酒運転やひき逃げ犯の増加を受けて、交通事故問題を考える国会議員の会の総会が、被害者団体も交えて開かれました(私、初代の事務局長でした)。出席者からは、次のような意見が出されました。
1)運転に影響する飲酒量には個人差があるため、0.15mg以下でも危険な運転になる人がいる。少しでも飲んでいれば飲酒運転に問われるようにすべきだ。
2)ひき逃げの場合、道交法の救護義務違反、通告義務違反にもなるが、現場からの離脱は問われない。現場から逃げることは「故意犯」であり、「ひき逃げ=現場から逃げること」と定義してほしい。
3)事件発生から時間が経過すると立件が困難になるため、事故発生までどのような状況にあったかを調べる「補充捜査」がずさんになる。捜査をしっかりしてほしい。
4)飲酒運転教唆・幇助行為を厳しく問うべきだ。
5)飲んでいればエンジンがかからない装置、ドライブレコーダーの装着義務化を行うべき。
私は、「交通安全対策基本法により、総理を長とする交通安全対策本部が設置されている。安倍内閣のスタート後、できるだけ早く会合を開き、各担当省庁から飲酒運転、ひき逃げ等に対する対策を提出させ、臨時国会内に抜本的な対策を取りまとめるべきだ」と提案。逢沢一郎会長、細川律夫事務局長に、政府に早急な対応を求めるようお願いしました。
◆◇◆ 今週の「がんちゃん日誌」から ◆◇◆
* 9月12日、朝日新聞の告知欄を見て応募した「がんー医と心を考える」のセミナーに参加。講師が「がん患者は医師個人の成績を知りたがっている。患者会として医師の治療成績の公開を求めるべきだ」と言われたので、首を傾げる。がん治療はチーム医療だし、たとえ外科の名医がいても、希望者全員が手術を受けられるわけでもない。患者調査による要望事項を、そのままストレートにぶつけるのではなく、「なぜ、そのような要望になるのか」を分析し、政策として提言するのが、政治家や研究者の役割だと思う。
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