7月24日(日)号
■ 決裂しそうで、続きそうな年金合同会議
7月22日、社会保障制度改革に関する両院合同会議が開催されました。今回のテーマは「国民皆年金の意義」です。私も、概ね次のような発言を行ないました。
皆年金の定義が発言者によって異なる。「すべての人に年金を支給する制度を設けた」という意味で与党の委員は「皆年金」と言われるが、私は「すべての人に、老後、意味のある年金を支給することが皆年金」だと考える。
その意味から、基礎年金が重要な課題となる。運営を社会保険方式とするのか、税方式とするのか。財源を税か社会保険料のどちらに重きを置くのかの議論に、一定の結論を得なければならない。
〇 社会保険方式だと、低所得者は低年金とならざるを得ない。
〇 保険料の高額化に耐えられないのではないか。安定的な財源確保という観点からは、税と社会保険料のどちらが優れているのかを慎重に議論すべきだ。
〇 税財源も、消費税だけではない。所得税、法人税、相続税の見直しが必要だ。保険料であれ、税であれ、その徴収コストも重要な検討課題だ。
〇 給付時に国庫負担を行なう現行制度では、高額年金者にも税財源の年金が給付される。税は低年金者に集中的に投入されるべきではないか。保険料を払えない時に、税で保険料を負担するという納付時国庫負担が望ましい。
〇 基礎年金にマクロ経済スライドが適用され、今でも低額の基礎年金が、さらに減額されるのは大問題だ。
かつて社会保障制度審議会は、全額税財源による「国民基本年金構想」を発表したことがあります。当時の会長は大河内一男先生でした。戦後の日本が、どのような社会保障制度を構築するかを模索していた時期であり、「大きな政府」を標榜していたと考えます。
しかし、高度経済成長期を経るなかで、自民党政府は、競争や自助・自立が強調されるアメリカ型の社会が望ましいとして、現在は、さらに「小さな政府」を目指しています。
どのような社会保障制度が望ましいと考えるかは、ひとえに、政党の理念に基づいています。そうであれば、自民党と民主党の主張が交わることはないのかもしれません。民主党内には、いつまでも議論を続けても意味がないと主張する人もいます。自民党も、消費税の引き上げに民主党の同意を得たいとの思惑から、開催を続けるのでしょうか。伊吹文明委員や中島真人委員らからは「民主党の考えと、自民党の考えは近い」といった発言もなされました。
直前に開催された民主党社会保障制度調査会で、講師の権丈善一・慶応大教授は「積み残した年金改革の課題は多い。年金合同会議で、ぜひ解決策での合意を目指して欲しい」と話されました。私もまったく同じ思いです。
■ 障害者自立支援法の審議について
与党が郵政法案の成立を最優先しているため、厚労委での自立支援法案審議への影響は避けられない状況にあります。後続の労働安全衛生法ともに、継続審議となる可能性が出てきました。
22日の金曜日、本会議場で、総理の出席を求めて質疑が行なわれました。民主党と公明党が質問に立ちましたが、ともに慎重・反対の色あいの濃いもので、議場の議員も反対の意思を強めたように感じました。
委員会の審議日は火曜と木曜ですので、次回は26日ですが、審議の持ち方で与野党間の意見が分かれました(与党側は、委員会での趣旨説明の後、自立支援法の審議を要望。野党は、すぐに審議に入ることはこれまでの審議方法を変えることになる。さらには、緊急を要するアスベスト問題への一定の審議が必要で、参考人からの意見を聞く時間を設けた後に、自立支援法の審議に入ることを主張)。
協議の結果、26日は法案の趣旨説明だけ行なうことになり、実質審議は28日の金曜日が第1回目となります。
したがって、8月1日に大阪でもと個人的には考えていた地方公聴会も、開催が難しいのではないかと思います。公聴会の会場や参考人の手配で、1週間前には、委員会での開催にかかわる議決が必要ですが、その時間的余裕がないからです。審議を急いでいるとの印象を、障害者の皆さんがもたれることを心配もしています。
郵政法案を審議する委員会に、厚労大臣の出席を求められることが多く、厚労委員会も細切れの開催とならざるを得ない状況です。到底、審議が深まるとは考えられません。厚労省は法案成立を最後まで諦めないでしょうが、与党も強行採決に打って出るほど、法案成立への意欲はありません。したがって、継続審議が妥当だと思います(あくまで個人的感想ですが)。
△▼△ 今週の「コツコツと!」 △▼△
* 7月19日、参院厚労委で「自殺に関する総合対策の緊急かつ効果的な推進を求める決議」を行なった。詳細をHPにアップ。
* 中国残留孤児が求めた国家賠償請求での敗訴を受けて、特別給付金の支給を目指す超党派議連が発足。「月額2〜3万円の自立支援金を給付する」ことで集約できそうだが、金額とともに、支給対象者の範囲が、依然として難問。日中友好条約締結後の帰国者を対象とする案や、平成6年の中国残留邦人帰国促進自立支援法制定後の帰国者を対象とする案などが示されたが、与党の一部からは、対象とならない人からの反発を恐れる意見も聞かれる。何かよい案はないだろうか。
◆◇◆ 今週の「なんでやねん!?」 ◆◇◆
* アスベスト被害で、西厚労副大臣は「決定的な失敗だったのではないか」と、個人的とはしながらも、政府の対応の不備を認める発言。薬害エイズの構造が思い起こされる。被害者は今後多数発生するだろう。総合的な対策が必要だ。社会党時代に、警鐘を鳴らし続けた五島正規代議士を座長に、民主党のプロジェクトチームが発足した。
* 郵政法案での「票読み」を披露した小泉総理。マスコミも、まるで予想屋の様相。人口減少社会とインターネット社会の到来を考慮すると、郵便局の経営は、かなり苦しくなるのではないか。民営化とは不採算部門の廃止で、そのことは国鉄民営化で証明済み。どのような郵政システムが望ましいのか、郵政正常化への道筋をどのように描くのか。そうした議論が聞かれないままに、小泉郵政劇場が展開されている。「参院での否決で衆院を解散する」ことに躊躇する参議院議員は多い。しかし、参院は良識ある判断を示し、その後は、小泉総理に任せればよいのではないか。参院での否決で衆院を解散するような狭量な総理には、即刻退場願いたい。解散は自民党の解体につながり、小泉さんの宿願が成就されることでもあるのだから。
* クールビズ。ファッションセンスも、新たなシャツを買う資金力も乏しい者には、我慢の夏が続きます。「10月からネクタイ姿に戻る」との取り決めも、何か変じゃない〜。
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