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10月3日(日)号
イチロー選手が、84年ぶりに大リーグの最多安打記録を更新。いつもは冷静なイチロー選手の笑顔が素敵でした。
「時間が経って、とんでもないことだと気付くでしょう」というイチロー選手のコメントを聞きながら、「とんでもないことになることが判っていたのに」と思ったことがあります。年金制度のことです。
■年金財政を左右する人口と経済成長
民主党組織や労働組合などから依頼されて、年金についてお話する機会が増えました。こんな風にお話しています。
年金改革とは、長期的に年金受給総額に見合った年金給付財源を確保する手立てを講じることですが、その際、大きな決定要因は、年齢別の人口と経済成長の見通しです。
わが国の出生者数を経年で見ると、戦後直ぐの第一次ベビーブーム(団塊の世代)、その子ども世代である1973年をピークとする第二次ベビーブームと、大きな山が2つありますが、第三次ベビーブームの山は出来ませんでした。
このため、団塊世代の年金は第二次ベビーブーマーが支えても、第二次ベビーブーマーの年金を支える力が、人口構成上からして日本社会にはありません。たとえ少子化傾向が改善されたとしても、年金保険料を負担するのは20年後になりますので、年金財政を好転させる力とは当面はなりません。
そして、日本社会が迎える人口減少社会では、保険料納付者の数が減少したうえに、経済成長も高原状態になるため、賃金の増加は見込めず、保険料納付総額は伸びません。一方で平均寿命が伸びて、年金受給期間が長期化します。こうして、年金財政は今後さらに厳しくなるはずです。
■年金制度の破綻は既定の事実だった
しかし、この様な事態になることは、すでに20年ほど前には判っていたのです。団塊の世代は、自らの年金給付に備えて保険料を早期に引き上げ、積立金を保有しておくべきでした。しかし、保険料引き上げはできず、たとえできたとしても、膨大な積立金の存在は、別の深刻な問題を引き起こしていたでしょう。
次なる手立ては、年金給付総額の引き下げでした。年金受給開始年齢の引き上げは、年金受給期間を短縮することから極めて有効な年金給付総額の抑制策ですが、段階的な実施しか選択肢はないため、急激な給付総額の抑制とはなりません。そして、いまでも60歳定年が主流となっているのが現状ですから、定年から年金受給までの「空白期間」が生じるという問題も残されたままです。
こうして、「とんでもないことになることが判っていたのに」、政治も国民も、有効な年金改革はできず、問題の先送りを続けてきたのです。今また、同じ過ちを繰り返そうとしています。
■理念を明確にして改革を説くこと
社会保障改革の理念は、「負担を求めざるを得ない時は公平に」「給付を削減せざるを得ない時は、大きな給付を受けている人から順番に」です。
その観点からすれば、基礎年金の負担の一元化(国民年金被保険者の1号は定額、2号は定率、3号は自ら負担せずという、歪な保険料負担の構造を是正する)が最優先課題です。そして、基礎年金を手厚くする方策を追求すべきです。
私は、年金の講演会でこのように年金改革を説きます。参加者の皆さんは納得してくださり、消費税引き上げにも理解してくださいます。
岡田代表と連合の笹森会長が会談し、基礎年金の一元化で合意しました。税目が明記されていないので、消費税か、所得比例の社会保障税とするかは今後の議論に残されています。以上述べたような方向性を示して、与党も協議に応じるなら、協議すればよいと思います。
ところで、これからの日本社会が「とんでもない」方向に進まないように、小泉純イチローの「改革」には、絶えざる監視が必要です。
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